春埜杉 樹齢一千三百年神秘の御神木
春野山大光寺(静岡県浜松市天竜区春野町花島22−1)の御神木である春埜杉は樹齢約1300年と推定され、静岡県下最大級の杉として県の天然記念物に指定されています。
縄文杉(推定樹齢2500~4000年)樹高30m、幹周16.1m
栢野大杉(樹齢2300年)樹高約54.8m、根元周約11.5m
杉の大スギ(樹齢3000年)樹高60m、根周り約20m
石徹白の大杉(樹齢1800年)樹高24m、幹周14m
といった国指定天然物の杉に対し
春埜杉(樹齢1300年)樹高44m、幹周14m
と国内最大級の杉にも迫る巨木であり、国内でも五指に入る杉の大木と云われています。
大光寺の寺伝では行基菩薩が春埜山開山(養老二年718)の際に梵天、帝釈天、閻魔尊天像を刻むと共に春埜杉を植樹したと伝えられています。
上記の国指定天然記念物の杉のうち、栢野大杉(樹齢2300年)は石川県加賀市山中温泉栢野町の菅原神社の御神木で、人によって植樹された可能性も指摘されています。
春埜杉は推定樹齢と開山伝承の年代が一致していますので、行基の時代に寺が開創された時に御神木として人の手によって植樹された可能性も高いと思われます。
同じ天竜区内の山岳信仰の聖地である光明山にも昭和6年の大火後に伐採されるまで樹齢千年を超える「大黒杉」があり、百古里の武速神社にも「将軍杉」と呼ばれる県指定天然記念物の御神木があります。山住神社(和銅二年709創建)の御神木も樹齢1300年と伝承されています。
天竜美林は「日本三大人工美林」に数えられますが、植樹の歴史も古く、こうした巨木が数多く残されているということは杉の生育に適した地域であることの証と言えるかもしれません。
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