激レア希少品種「やえほ」天竜茶 上阿多古落合2018

静岡県浜松市天竜区西藤平(落合) 
2018年産 天竜煎茶 中蒸し 
やえほシングルオリジン


落合付近を流れる東阿多古川
「天竜青石」緑泥片岩により川底が深いブルーに見える


 旧上阿多古村落合は東西阿多古川の合流点。  

 落合を中心に東に白野、大沢、西に西、西奧の五つの字からなる西藤平は江戸時代から茶業が盛んであったようです。

落合連の屋台
西藤平十二所神社祭典では五台の祭り屋台が曳き廻される

 落合は上阿多古地区の中心街として栄え、古い商家の建物が遺っています。

 戦前の天竜川水運全盛期、阿多古川上流で伐採された材木は馬車で落合まで運ばれ、ここで筏に組んで天竜川本流の鹿島まで運搬していました。
 水量の少ない阿多古川で下流までスムーズに筏で下るために、大雨で増水した時を狙って筏を繰り出したそうです。
 阿多古の筏乗りは命懸けの大仕事でした。

 落合まで材木を運搬するために古くから馬車道が整備されており、西藤平の山間部大沢集落にも古くから屋台があり、山道を落合まで曳いていきます。
 盆地状の傾斜地には茶畑が広がっています。

 品種茶「やえほ(茶農林17号)」は、静岡県の在来種である「八重穂」から選抜され昭和29年に登録された古い品種で煎茶の他、玉露にも用いられる早生品種。  
 やえほの作付けは全国茶園の0.01%に過ぎず、極めて希少な品種となっています。

  優良品種である「やえほ」ですが、煎茶として単品で出回ることは極めて稀なのです。
 八重穂の自然交雑実生から選抜された品種には幻の茶と呼ばれる「摩利支」があり、やえほとやぶきたの交配から生まれた品種に「おおいわせ」があります。

淡麗--★---濃厚 
甘味☆☆☆ 
旨味☆ 
苦味☆☆☆☆☆ 
渋味☆☆☆ 
香気☆☆☆☆
  栗のような独特の薫り、濃いめ(3g、35ml、50℃、2分)に淹れると低温抽出でも口当りかなり強い苦味を感じるものの、苦渋味はスーっと退いて余韻は甘味が残る。 水色は鮮やかな黄緑色、二煎目以降は爽快感を感じさせるライムグリーンに。

 熱湯で (3g、90ml、100℃、30秒)サッと淹れると一転して苦渋味は殆どなく、却ってやや遅れて来る甘味が引き立つ。舌の根辺りに余韻となって甘味が長く残る。
  この条件では評価は以下のように変る。


 淡麗--★---濃厚 
甘味☆☆☆☆ 
旨味☆ 
苦味☆☆ 
渋味☆☆ 
香気☆☆☆


  一般的に浅蒸しの山のお茶、天竜茶は低温でじっくり抽出することで苦渋味を抑え甘味旨味が引出されるが、この「やえほ」では真逆の結果に。

  茶師藤原広幸氏は「熱いお湯でサッと淹れて美味いお茶」がモットー。 

 熱湯でサッと出す、それがこのお茶を美味しく飲むコツ。そして淹れ方によっては、苦みばしった通好みのお茶にもなり得るので、湯量や抽出時間を変えて色々試してみることで、この希少な個性的品種を味わい尽くすのも良いでしょう。 

天竜楽市

天竜楽市

静岡県浜松市天竜区は天竜川と秋葉の山々に囲まれた山間地。永い歴史と豊かな物産、伝統ある祭禮や観光、イベント情報を紹介するページです。

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