天竜川の舟運と天竜紅茶の知られざる歴史

 天竜川の舟運は幕末以降、天竜川上流域に茶業の隆盛をもたらしました。
 開国以降、茶は日本の主要な輸出品となりますが、明治十二年(一八七九)五月五日、天竜川流域の茶取引の中心地であった磐田郡二俣村(現浜松市天竜区二俣町)に紅茶製法伝習所が開所すると、早くも翌年には、横浜港より天竜産紅茶の輸出が開始されました。

 天竜川の舟運は大井川、安倍川とは比較にならないほど発展しており、様々な産業の隆盛に貢献しています。
 明治三十二年に清水港が開港すると、静岡茶は国内の上位を占めるようになり、大正十年には作付けで全国の三割超、製茶量で四割弱が静岡産となりました。中でも、清水港からの茶の輸出は全国の八割を占めていたと云われ、水運の利を活かした茶の輸出が静岡茶の地位を押し上げていったのでありましょう。


 熊切の紅茶は、明治期から輸出され、過去に英国で金賞を受賞したこともあると伝えられています。
 山の紅茶は、一般的な国産紅茶に比べ香味が豊かでしっかり濃く出るのが特徴。それでいて苦渋味は少なく甘味が濃厚で、砂糖などは使わずに美味しく飲むことが出来ます。
 世界を見渡しても、良質な茶葉の産地の条件の一つとして「標高の高さ」が上げられます。
 山で作るから紅茶は美味い…本場、英国紳士も高く評価した天竜川上流山間部の紅茶。支流の気田川から船に積まれて異国に運ばれていった茶葉に想いを巡らせながら飲んでみるのも良いですね!


天竜紅茶 手摘みオレンジペコー べにふうき他 2018 1st 30g | 天竜楽市 天竜茶 本舗 on the BASE

静岡県浜松市天竜区西藤平2018年ファーストフラッシュ 天竜紅茶 べにふうき こうしゅん やぶきた 手摘みオレンジペコー 第66回(平成24)、第71回(平成29)「全国茶品評会」普通煎茶4kgの部一等一席「農林水産大臣賞」受賞茶園にて、ファーストフラッシュを一芯二葉で丁寧に手摘みしたオレンジペコー・グレードの国産最高級紅茶です。 ブレンド比率は「べにふうき」90%、「こうしゅん」「やぶきた」各5% 「べにふうき(茶農林44号)」は「べにほまれ(茶農林1号)」と「枕Cd86」を交配し、枕崎野菜・茶業試験場が育成、1993年に命名登録された紅茶用品種。 種子親の「べにほまれ」は多田元吉がインドから持ち込んだアッサム系実生選抜、花粉親の「枕Cd86」はマナスル登山隊がヒマラヤから持ち帰ったというダージリン系の品種で、「べにふうき」(系統名:枕崎3号)の育成自体は1960年代に行なわれていたものの、1971年の紅茶輸入自由化により国産紅茶は壊滅的打撃を受け、登録まで30年近くを要しています。 一度は忘れかけられた品種でしたが、紅茶としての優れた特性が認められると共に、緑茶として仕上げた場合に限りメチル化カテキンを高濃度に含むということで抗アレルギー作用のある緑茶としても高い話題性を獲得しています。 然し、緑茶として飲む場合の香味は決して良いわけではなく、近年は「やまかい」などメチル化カテキンの含有量は「べにふうき」の半分以下であるものの緑茶として香味の優れた品種を勧めるケースも見られるようになっています。 「べにふうき」が、その香味において真価を発揮するのはやはり発酵系のお茶に仕上げた時でしょう。淡麗----★-濃厚甘味☆☆☆☆☆☆旨味☆☆☆苦味☆渋味☆☆香気☆☆☆☆☆☆ 3g、90ml、70℃、1分、ストロベリー調の甘い香り、苦渋味は僅かで甘味が非常に豊か。後味に旨味も感じられる。  湯量は180ml程度まで増やしても充分濃厚な紅茶の風味を味わえます。濃厚な甘味を楽しむなら湯量を減らし一分程度の抽出で。抽出時間を長くすると苦渋味と、よりコクも出て来ます。

天竜楽市 天竜茶 本舗


 阿多古川流域も江戸時代から良質の茶葉産地として知られています。二俣に開所した紅茶製法伝習所に学んだ茶師も数多くいたことでしょう。
 昔ながらに一芯二葉を手摘みして手作りで仕上げたオレンジペコーグレードの国産最高級紅茶は、濃厚な味わいながら苦渋味はほとんど感じられません。
 国産紅茶の常識を翻す逸品です。

 天竜区横山町のカフェ「Miles Tone(マイルストーン)」では、天竜川を見下ろしながら天竜産紅茶を愉しむことが出来ます。
 この眼下を帆掛け船に揺られて茶葉が運ばれていったのですね…

 バスが筏船(ダンベー、団平船)に載って川を渡っていたのも、この地点(現横山橋付近)なのでした。


天竜楽市

静岡県浜松市天竜区は天竜川と秋葉の山々に囲まれた山間地。永い歴史と豊かな物産、伝統ある祭禮や観光、イベント情報を紹介するページです。

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