4006 アッサム系緑茶用激レア品種

 「4006」は、昭和18年に静岡県茶業試験場でアッサム種の紅茶候補原樹中から特に緑茶として良好な品種として4018(ほうりょく)と共に選抜されました。

  静岡の4000番台系統(他に4008ただにしき)はアッサム種(4008、4018は日本紅茶の父である多田元吉翁がアッサムから導入した多田印雑の系統)からの選抜、7000番台系統(7109するがわせ、7111くらさわ、7132まちこ、7166やまかい、7224ふじみどり)は主にやぶきた実生からの選抜(ふじみどりのみ来歴不明)で、昭和17年に静岡県茶業試験場に赴任した有馬利治氏が育成に大きく関わった品種ですが、マニプリ15由来の印雑131を含め何れも品種登録はされていません。

  するがわせ、くらさわ、7132、やまかい、ふじみどりについては、50年ほど前に導入されて以来、天竜区では現在も比較的多く残されている品種ですが、4006については極めて情報が乏しく、シングルオリジンとして出回るケースは全国的に見てもこれまでほとんどなかったようです。

静岡県浜松市天竜区横山町 

2018年産 天竜煎茶 浅蒸し 

4006 夏摘みシングルオリジン


 「月の茶工場」で製茶、仕上げされた夏摘み天竜茶「4006」  天竜区龍川地区の茶工場は「月まで3km」の看板がTV番組「ナニコレ珍百景」に取り上げられて話題になった浜松市天竜区月にあります。

  今では浜松市の観光スポットとしてInstagramにもしばしば投稿されています。

淡麗--★---濃厚 
甘味☆☆ 
旨味☆ 
苦味☆☆☆☆☆ 
渋味☆☆☆ 
香気☆☆☆


  印雑131ほどではないが花香にも感じられる独特の香気で飲み口は重ため。苦味は強いが後味は甘味に変る。

  茶葉が開くまで少し時間が掛かるため、抽出条件によって印象は変り、熱湯で短時間湯通しすると薫りが立ってくる。

 何といっても4006という個性を楽しむべきお茶で、やや上級者向けになります。

  苦味が出過ぎないように熱湯で薄めにサッと淹れてほのかな花香を感じ取るなど持ち味を上手に引き出しながらお愉しみ下さい。


  万人に勧めるお茶ではありませんが、個性的な薫りのある滅多にお目に掛かることはない非常に希少な品種です。

 個性の強い品種ほど、一般には普及しにくい面があるのですが、その個性を唯一無二として気に入ってくれるファンも少なからず存在します。

 天竜楽市二俣店ではこのような激レア品種も実際に飲んでお試しいただくことが出来ます。


天竜楽市

静岡県浜松市天竜区は天竜川と秋葉の山々に囲まれた山間地。永い歴史と豊かな物産、伝統ある祭禮や観光、イベント情報を紹介するページです。

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