鈴木青宵師作 皿出し茶器で天竜煎茶を淹れてみよう

 天竜区下百古里に直透窯を開き、志都呂焼、伊波多焼の作陶をされている鈴木青宵師の皿出し茶器で天竜煎茶を淹れてみましょう!

 玉露などは、絞り出し急須を使うと、美味しく簡単に淹れられますが、蓋付きの茶器は高価ですし、急須離れも進む昨今、より手軽に高級茶を楽しめる茶器に注目が集っています。

 手の小さな女性でも扱いやすく、茶葉がなるべくこぼれ落ちないように鈴木青宵師が考案されたのが、この「皿出し茶器」です。

 それでは、この皿出し茶器を使って「さやまかおり」と「やぶきた」を淹れてみましょう。
 天竜では玉露、冠茶も作られていますが、品種ごとの香味を最大限に活かした手摘みの高級煎茶の産地として、この四年間に三度普通煎茶4kg(手摘み)部門で『農林水産大臣賞』を受賞、過去二年連続で『産地賞』も獲得しており、玉露、冠茶に引けをとらない宇治、八女と並ぶ日本を代表する高級茶葉産地として認知されるようになってきました。

さやまかおり 天竜煎茶 上阿多古西藤平 2018 30g | 天竜楽市 天竜茶 本舗 on the BASE

静岡県浜松市天竜区(上阿多古)西藤平2018年産 天竜煎茶 浅蒸しさやまかおりシングルオリジン 第66回(平成24)、第71回(平成29)「全国茶品評会」普通煎茶4kgの部一等一席「農林水産大臣賞」受賞茶園にて品種の持ち味を活かし浅蒸しで仕立てた選りすぐりの天竜煎茶です。 「さやまかおり」は「やぶきた」の自然交雑実生からの選抜品種で、埼玉県茶業試験場で育成され1971年に命名登録されました。 煎茶、玉露用中生品種。葉が長楕円形で大きい特徴があります。 独特の花香があり、甘味の強い品種です。淡麗---★--濃厚甘味☆☆☆☆☆旨味☆☆☆☆苦味☆☆☆☆渋味☆☆☆香気☆☆☆☆ 3g、30ml、50℃、2分、ジャスミン香と甘い柑橘香、口当りは豊かな旨味があり、苦味を感じるものの、フルーツライクな甘味が後から広がってくる。 3g、60ml、80℃、1分、 水色は濃いミカン色。トップノートに仄かなジャスミン香、爽やかなフルーツ香(レモン、桃)、口に含むと旨味と共に海苔香も漂う。ほろ苦味と渋味のあとに桃のような甘味。飲み干した後に甘味が広がる。喉越しは軽やかだがコクがある。 二煎目も水色は濃く、甘い香りと海苔香。甘味が強く出る。三煎目も仄かな海苔の香味とフルーティーな甘味がまだしっかり抽出される。 特徴的な香りを引出すなら高温でサッと淹れる方が良さそう。さやまかおりは独特の香気がありますが、本品は香りをまき散らすようなところはなく、くせのない落着いた仕上がりになっています。 葉が大きく煎が利き、甘い香味が楽しめるお茶で、午後のティータイムに甘いクッキー等との相性も極めて良好です。

天竜楽市 天竜茶 本舗

 今年の農林水産大臣賞受賞茶と同じ畑で栽培された茶葉は細く美しく撚られています

 まずは湯冷ましで50℃程度まで湯温を下げます。

 茶の旨味、甘味成分であるアミノ酸(グルタミン酸、テアニン)等は低温でも抽出されますが、苦渋味成分(カテキン、カフェイン等)は高温で抽出されますので、低温で淹れることで旨味、甘味が引出されます。


 茶葉が浸るくらいまで冷ました湯を注ぎます

 一分ほど待ちます

 茶葉が膨らみ色も鮮やかになってきました

 茶杯に雫を注いでいきます

 最後の一滴まで出し切りましょう。最後の一滴が濃厚です。二煎目を美味しく飲むためにも出し切ってしまう方が良いのです。

 一煎淹れた後の茶葉は、まだ充分に開ききっていません。完全に開ききるまで四~五煎は美味しく淹れることが出来ます。

 高級煎茶の水色は金色透明。
 極浅蒸しの煎茶は茶葉が流れ出さないため、水色は薄く透明に近いほど良いとされていますが、鮮やかな山吹色や緑色も好まれます。


 香りが特徴の「さやまかおり」は高温で淹れた方が薫り立ちは良いですが、低温でも香りは良く、ジャスミン香と甘い柑橘香、口当りは豊かな旨味があり、苦味を感じるものの、フルーツライクな甘味が後から広がってきます。

 「やぶきた」も同様に50℃まで冷ました湯を茶葉が浸るくらいまで注ぎます。

 茶葉が膨らみ鮮やかな緑色になってきました

 茶杯に注いでいきます

 最後の一滴まで注ぎます

 透き通った美しい水色です。茶の成分には色はなく、見た目は薄い色でも香味は極めて濃厚です。

 旨味を感じさせる茹で野菜の香りに混じってうっすらと蘭の花香、僅かに若葉、薬草の香りがします。
 旨味は非常に強く、塩辛さを感じるほど。適度な渋味、苦味は次第に甘味に変わります。

 天竜茶は少し苦渋味もありますが、甘味や旨味にかき消されて消えていき、最後は甘味が余韻としていつまでも口の中に残る特徴があります。

 二煎目、三煎目と少しずつ温度を上げて淹れてみましょう。二煎目以降は待たずに、湯を注いだらすぐに出せます。

 二煎目、三煎目と香味が変化していきます。茶葉本来の深い味わいじっくりと愉しんで下さい。

 煎を重ねて香味の変化を楽しんだら、最後は皿に残った茶葉も食べることが出来ます。そのままでも、お好みでわさび醤油やポン酢を垂らしても…茶葉の栄養成分をまるごと美味しくいただくことが出来ます。

 天竜楽市二俣店では、皿出し茶器を使って最高級の天竜茶をいつでも試飲していただけます。


天竜楽市

静岡県浜松市天竜区は天竜川と秋葉の山々に囲まれた山間地。永い歴史と豊かな物産、伝統ある祭禮や観光、イベント情報を紹介するページです。

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